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青春のフラストレーションが生んだ悲劇 家庭に対する不満を抱えた若者たちの刹那な行動を描いた作品。 基本的には、ジェームズ・ディーンの主演前作であるエデンの東のようなテーマを据えた作品だと言えるだろう。但し、エデンの東が、親との関係を深く掘り下げて描いているのに対し、本作での親は、あくまでも不満に思う対象として、ある程度距離を置いて描かれているのが異なる点であろう。その分、若者の世界、若者同士の関係性に重点を置いた描き方をしている。 成長するに連れ、親との関係に変化が生じてくるものだろう。年齢を重ねるに連れ、絶対的な存在だった親が、ひとりの人間として見えてくる。あるいは逆に、親が子供を子供としてではなく、ひとりの人間として見るようになる。子供から大人へと成長する過程での親と子供の関係。子供にとって精神のバランスを保つのは難しいのかも知れない。 家庭内で募った不満は外で発散するほかない。親のいない世界を謳歌する若者たち。人生設計の出来ない若者たちは、今を生きる事に賢明になり、刺激を求めて行動はエスカレートして行く。彼らの行ないを大人たちは、愚かで馬鹿げていると非難するだろう。だが、その声は若者には届かない。 そもそも、愚かだ、馬鹿だと非難出来るのは、大なり小なり、それらを経験してきた大人だから言える物言いなのかも知れない。子供時代を振り返って、その馬鹿な行ないを笑い話に出来れば良いが、取り返しのつかない悲劇を生む可能性も大いに秘めているだろう。 主演作3本だけを残してこの世を去ったジェームズ・ディーンにとって、3本とも代表作として挙げられるのだが、特に本作は、彼のビジュアルイメージを決定づける作品であると言えるだろう。 本作の扮装であるリーゼントに赤いジャケット、ブルージーンズは、多くの人がジェームズ・ディーンのスタイルとして認知しているのではないかと思う。ただ、あまりにも有名すぎて、本作とは関係なく、一人歩きしてしまっているように思う。 このスタイルが本作に不可欠では決してない。このスタイルでなくても物語に影響はない。ただ、作中のこのスタイルは抜群に映える。それは単に、そのスタイルだけを切り取ったスナップやポスター等では味わえないカッコ良さだ。だからこそ、一人歩きしてしまうくらい、ジェームズ・ディーンのスタイルとして有名なのだろう。 そしてジェームズ・ディーンが不良少年の永遠のアイコンであるのも本作の影響であろう。ジェームズ・ディーン演じる主人公のジムは肩で風切る強面ではない。そういった意味では不良少年という言葉から受けるイメージとは少々異なるのかも知れないが、信念を貫く強さと仲間を思う優しさは不良少年の原点ではないかと思う。さらには、彼の得意とするナイーブな面を表現する演技力は若者ならではの苦しみとして共感できるのではないかと思う。 共演陣も実に良い。ナタリー・ウッド演じるジュディやサル・ミネオ演じるジョンは、見方によっては主人公のジム以上に本作のテーマに則した役柄だと言えるだろうし、彼らは若いながらも見事に演じていると言えるだろう。あまり印象的な役ではないが、不良少年役で出演しているデニス・ホッパーにも注目したい。 |
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