自分勝手な映画批評
プロジェクトBB プロジェクトBB
2006 香港 126分
監督/ベニー・チャン
出演/ジャッキー・チェン マイケル・ホイ ルイス・クー
病院の金庫をこじ開けるサンダル(ジャッキー・チェン)とフリーパス(ルイス・クー)。金品を奪い取り、立ち去ろうとするのだが、警備員に呼び止められる。

優しき泥棒たち

泥棒一味が赤ん坊を誘拐した事で巻き込まれる騒動を、ハートフルに描いたアクション作品。タイトルに「プロジェクト」の文字が入っているが、プロジェクトAシリーズとは何ら関係はない。

本作の大きな特徴としてはジャッキーが泥棒を演じている点だろう。だが、我らの味方ジャッキーは、皆が心配するような悪役にはならない。ただ、そのイメージを保つからこそ、ラストシーンが負に落ちなくも感じてしまうのだが、ジャッキー作品らしいまとめ方だと言えるのだろう。また、「Mr.BOO!」のマイケル・ホイ、旧友ユン・ピョウとの久方振りの共演はファンにとっては嬉しいであろう。

ジャッキーの走る姿を見て、正直「歳をとったな〜」としみじみ感じた。もちろん50歳を過ぎた年齢的な事を考えれば仕方のない事なのだと思う。但し、それ以外のアクションシーンでのスーパーマン振りは、まだまだ健在であり、恐怖心に勝るサ−ビス精神をとことん魅せてくれる。体力的な衰えを感じさせないような見せ方をする工夫もしているかと思うのだが、それは、永年積み重ねた経験の賜物である円熟であろう。そして、そのコミカルさは、やはりどこかサイレント映画を彷彿とさせる。

本作で忘れてならないのは赤ん坊の存在だ。赤ん坊自体可愛いのだが、ジャッキーとルイス・クーの母性本能のような父性本能が温かく、微笑ましい。アクションが第一ではあるのだが、優しさや親しみも大きな持ち味であるジャッキーにとって、本作の役柄はうってつけだと言えるだろう。


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