自分勝手な映画批評
バットマン・リターンズ バットマン・リターンズ
1992 アメリカ 126分
監督/ティム・バートン
出演/マイケル・キートン ミシェル・ファイファー ダニー・デヴィート クリストファー・ウォーケン
クリスマスの夜に赤ん坊が川に捨てられた。時は経ち、33年後のゴッサムシティではペンギンの姿をした怪人が話題になっていた。

ファンタジーで描かれた悲しい物語

ティム・バートン監督、マイケル・キートン主演のバットマンの続編。前作よりもショーアップ・スケールアップした印象を感じる。

その理由としては特種効果のアップが挙げられると思う。前作でも特種メイク・特種効果は用いられていたのだが、技術の進歩か制作費の関係なのかは判らないのだが、本作では前作以上にふんだんに使用されている。その効果は絶大であり、前作以上にファンタジーな世界観をもたらしている。

もうひとつ挙げられるのは、複雑な人間心理・人間関係の描写だ。前作はバットマン対ジョーカーが基本の筋であったのだが、本作は登場人物も増え、そうはいかない。しかも、しっかりと個々の登場人物の心理が描かれており深みが増している。単純明快に敵・味方を分け隔て出来ない。やるせなさを覚え、心が痛む。

ファンタジーな描写と、それと相反するような哀愁を礎とする複雑な人間心理・人間関係の描写の同居は、まるで悲しいおとぎ話のようである。

奇抜な衣装に身を包みながらも妖艶さを醸し出すキャットウーマンに扮するミシェル・ファイファーに女性としての存在感を強く感じる。ユニークで難しい役柄のペンギンを演じるダニー・デヴィーも役者魂を感じられ大変素晴らしい。


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