自分勝手な映画批評
アレックス・ライダー アレックス・ライダー
2006 イギリス/アメリカ/ドイツ 93分
監督/ジェフリー・サックス
出演/アレックス・ペティファー ミッキー・ローク ミッシー・パイル
中学校の授業で、家族についての作文を発表するようにと先生に指名されるアレックス(アレックス・ペティファー)。幼い頃に両親を亡くしている彼は、同居する叔父(ユアン・マクレガー)について語り始めた。

007顔負けの美少年スパイ

原作はアンソニー・ホロヴィッツの小説。亡き叔父と同じくスパイとなった少年の奮闘を描いた作品。

少年探偵ならぬ少年スパイの活躍を描いた本作。スパイ映画と言えば007シリーズが真っ先に思い浮かぶが、本作は、その偉大なるシリーズが根底にあると言えるだろう。これは、同じく007シリーズの影響下にあると思われるトリプルXにも言える事だが、007シリーズの、ある意味、行き過ぎた世界を、違う設定を用いてアレンジし、上手い具合にアジャストさせた作品なのではないかと思う。

両親を亡くし、叔父と一緒に暮らしていたアレックスは、叔父の死をきっかけに叔父の本当の職業がスパイであった事を知る。知らずに武術等の英才教育を叔父から受けていたアレックスは、その能力の高さを見込まれ、叔父が所属していたMI6にスカウトされる。

本作は、ハードなアクション作品である。バランス良くまとめられた展開は実に優れている。ただ、いかにもマンガチックな設定であるのも間違いないだろう。だが、こんな事言ったら身も蓋もないのだが、そもそもスパイアクション自体、現実味が乏しいと言えるだろう。ましてや秘密兵器なんて持ち出されたら尚更である。

本作は、その辺りを少年を主人公にした事で解消させている。率直に言えば、子供向けだとも言えなくもないが、荒唐無稽な素晴らしさを馴染ませるのには、適した設定だと言えるだろう。そして何より、主人公が中年のオジサンではなく、若くて綺麗な少年である事も本作の魅力であると言えるだろう。

ありきたりな悪役では終わらせず、しっかりと自分の色に染めるミッキー・ロークも素晴らしい。


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