自分勝手な映画批評
メカニック メカニック
2011 アメリカ 100分
監督/サイモン・ウェスト
出演/ジェイソン・ステイサム ベン・フォスター トニー・ゴールドウィン
自宅である大豪邸に帰宅した麻薬王のホルヘ・ララ。ララは、その大豪邸の室内にあるプールで一人泳ぎ始めた。そのプールにはアーサー(ジェイソン・ステイサム)が前もって潜んでおり、アーサーはララの護衛や大豪邸の使用人等に気付かれずにララを溺死させた。

周到な準備が勝利を招く

凄腕の殺し屋と、彼に仕込まれパートナーとなった若者とのコンビの顛末を描いた作品。1972年公開チャールズ・ブロンソン主演の同名映画のリメイク。

自動車にまつわる作品が多いジェイソン・ステイサムなので、作品タイトルから自動車関係の作品を想像したくなるが本作は違う。「メカニック」とは契約で問題を片付ける男、依頼された標的を消す殺し屋の事を指す。

アーサーは、ある組織から仕事を請け負う殺し屋。アーサーは、その組織のハリーと仕事の間柄以上の親しい関係を築いていた。ある日、アーサーが組織からの仕事の依頼に目を通すと、何と今回のターゲットがハリーになっていた。間違いではないかと組織に問い合わせるアーサー。すると組織の別の男、ハリーに長年仕えていたディーンがアーサーと面談する事になった。そこでディーンはアーサーに、ハリーが組織を裏切り、過去最大となる仕事、ケープタウンでの作戦の情報を事前に漏洩して失敗させ、担当したチームを全滅させて2千万ドル得ていた事を説明する。ハリーと直接話すと主張するアーサー。しかしディーンはアーサーとハリーの関係は知っているが、もう手後れであり、アーサーが引き受けなければ他に頼むとし、出来れば速やかに無駄に苦しまずに死なせてやりたいので、それが出来るアーサーが適任者だと諭すのだった。

ステイサムにとっては、まさに打ってつけの作品だ。ステイサムが演じる殺し屋は孤高で至高のプロフェッショナル。設定こそ違えど、ステイサムの代表作である「トランスポーター」シリーズを彷佛とさせる作品だと言えるだろう

ステイサムは表情豊かに演じる俳優ではない。特に本作や「トランスポーター」シリーズでは眉間にシワのポーカーフェイスを終始貫いている。しかし、血が通っていないサイボーグのような男には映らない。ステイサムはポーカーフェイスを用いての感情表現、機微を語るのが抜群に上手い。だから人間ドラマに放り込まれても、動じずに存在感を示す事が出来る。この辺りが月並みなアクション俳優とは違うステイサムの魅力であり、重宝される原因であるだろう。

「トランスポーター」シリーズと通じるような感覚が持ち込まれている本作。但し、「トランスポーター」シリーズと決定的に異なる点がある。それは「トランスポーター」シリーズが、あえて随所にマンガチックな演出を施していたのに対し、本作はリアリティーを遵守している点である。

マンガチックな演出が悪いとは思わない。それは「トランスポーター」シリーズの色であり、時としてユーモラスに感じる面もあって存分に楽しませてもらった。ただ、同じように荒唐無稽な設定であるにもかかわらずリアルを感じさせるのも、これまた流石である。これは豊富な知識や周到な準備、それを実行する演出・演技等、多方面からなる総合力の賜物であるだろう。その完璧な仕事振りには、ただただ脱帽である。

ステイサムの魅力が詰まった本作は、ステイサムのファンならば納得の作品であるだろう。また、別段ステイサムのファンでなくても、優秀なアクションエンターテインメントとして高い満足感を得られる作品だと思う。


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