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父=ジャン・レノ、娘=広末涼子の親子の絆 互いに存在さえ知らなかった父娘が出逢い、巻き込まれて行く騒動をアクション を交えて描いた作品。率直に言えばチープさを否めないストーリーではあるのだ が、そんな中、見るべきは、やはりジャン・レノであり広末涼子なのだと思う。 正直、世界的名声を得ているジャン・レノが出演するには似つかわしくない作品 のような気がする。ただ、やはり彼の存在感は絶大で、彼が主演する事で作品が 締まり、博がつくのではないかと思う。もちろんそう感じるのは、彼の渋くユー モラスな魅力が本作でも遺憾なく発揮されているからであろう。 そして 広末涼子。日本人にとって日本人俳優が海外作品において重要な役で出演してい るのは、喜ばしい事ではないかと思う。しかも、必ずしも等身大とは言えないか も知れないが、彼女らしく、活き活きと伸び伸びと演じている点は非常に評価出 来るのではないかと思う。それは、まるで広末涼子という女優ありきで本作が製 作・成立しているようにさえ思えるし、彼女はその期待に十分答えているのでは ないかと思う。 また、これだけ台詞が多い役であるが、ほぼフランス語 なのも素晴らしい。私はフランス語が出来ないので、彼女の発音やイントネーシ ョンが本当に正しいのかは分からないのだが、吹き替えなしでこなしているのを 見ると、少なくとも及第点なのだと思う。 作品の舞台の大部分が日本で ある事も本作の特徴であろう。外国映画に感じる日本の描写に対する違和感は、 あるにはあるのだが、私は本作ではそれほど感じなかった。そもそも、ニューヨ ーク、パリではなく、「わざわざ」東京を舞台にする意味がなければならないの だと思う。 「わざわざ」舞台にするのであれば、独自の特異な文化・風 習を描かなければならないだろう。それを外国人が製作するのならば、ことさら 誇張と偏見が加わってしまうのかも知れない。そこに当地の国民はフラストレー ションを覚えるのだと思う。 但し、その不満は日本に限った事ではない 筈。例えば日本映画で外国の描写があった場合、その国の人が不快に感じる可能 性も十分にあるのだと思う。 自国の事を正しく描いて欲しいと思う国民 の思いは真っ当であろう。そこを踏まえても、私は本作における日本の描写は許 容範囲内だと思う。 難点も感じるストーリーではあるのだが、言い換え れば明朗快活な活劇であり、惑う事なくジャン・レノと広末涼子の共演を楽しめ る作品ではないかと思う。ジャン・レノの相棒モモに扮したミシェル・ミューラ ーのユニークな存在感も印象に残る。 | >>HOME >>閉じる | |||||||||||
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