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俺の美容師よりイカれてる ジャン=クロード・ヴァン・ダムとミッキー・ローク、加えてプロバスケットボールNBAの異色のスタープレーヤー、デニス・ロッドマンが核となるキャストである本作は、当時の世情を考えると、キワモノ色が強い作品のように思えるのだが、中々どうして、楽しめる作品に仕上がっているのではないかと思う。 ジャン=クロード・ヴァン・ダム演じるジャックは、CIAの職を離れ、妊娠中の妻と南フランスで穏やかに暮らしていた。だが、ミッキー・ローク演じるテロリストのスタヴロスが活動を再開した事を昔の同僚に知らされ、現場に復帰する。ジャックが率いるチームはスタヴロスを待ち伏せした遊園地で、スタヴロスの暗殺を試みるのだが、スタヴロスがスタヴロスの息子と一緒にいた為、ジャックは狙撃の指示を出すのをためらい、作戦は失敗してしまう。 深みのある、良く出来た脚本だと思う。だが、批判的な事を言えば、その脚本を活かしきれていないように感じる。だがしかし、優れた脚本をベースにしながらも、その脚本ばかりにとらわれず、あえて深く掘り下げずに娯楽性を追求した、言わば、躊躇なくB級性に特化した作風が本作の面白味なのではないかと思う。この感覚は、本作よりも後に製作されたのだが、トランスポーターシリーズと似たような感覚であるように思う。 確かに、重厚でメッセージ性のある作品は、心を強く揺さぶるであろう。だが、映画という娯楽の良さは、そういった事ばかりではないだろう。B級色が強いように感じる作風であるのだが、その事が却って、映画が本来持つ魅力のひとつである、観て楽しむという極めてシンプルな喜びを呼び起こさせてくれたような気がする。 アクション作品である本作の中心は、ジャン=クロード・ヴァン・ダムのパフォーマンスである。彼のアクションの素晴らしさは今さら言うまでもないのだが、その演出方法は、ハイテクな世の中でありながらも古のカンフー映画のようであり、上手い具合に旨味を引き出している。 また、作品タイトルを考えると、彼ありきの企画だったかにも思えるデニス・ロッドマンだが、本作で魅せる艶かしいきらびやかさは、まさに彼そのままのキャラクターで演じているようで観ていて楽しい。 色気ある悪役を演じるミッキー・ロークも実に彼らしく、好演している。 |
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