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アナーキーな青春物語 原作はアーヴィン・ウェルシュの小説。イギリス・スコットランドの若者の自堕落な青春を描いた作品。 ユアン・マクレガーの丸刈り頭の悪ガキっ振りが良く、アート性も感じる優れた作品ポスター等からも察しがつくスタイリッシュなセンス、皮肉ともとれるナショナリズムも含め、かなり際どくはあるがユーモアを効かせた軽妙さもあり、観る者を引き付ける要素たっぷりの作品である。だが、内容自体は過激でハチャメチャな群像劇だ。 ドラッグに溺れ、何の目的もない毎日。安易な快楽を求め、少し先の未来さえ描けない生き方、危険なその日暮らしを満喫する若者達。 どういった経緯で彼らがそのような生活に陥ったのか理由は分からない。そもそも理由など必要ないのかもしれない。ただ言える事は、満たされない現実からの逃避なのだろう。しかし逃避先の魔力に屈し、いつの間にか逃避ではなく日常になり、エスカレートするばかり。 しかし破たんした日常がいつまでも続く訳ではない。行き着くところまで行ってしまった彼らの共通意識に温度差が生じ始める。後戻り出来ず、そのまま突き進もうとする者。暗中模索しながらも、このままではいけないと思う者。若いながらも重要な人生の分岐点が訪れる。 ラストに関しては、幾らかの爽快感は感じるものの、作中で積み上げた全てを否定しているようにも感じる。だが、作風を考えると、それで良いのだと思う。本作に説教じみたメッセージ性は感じない。ただただ、切り取った破滅的な日常を見せつけられるだけだ。だが、それこそが生々しいメッセージなのかもしれない。 |
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