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帰りがけに、大きいパックの牛乳を買ってきて 原作はジョン・ゴーディの小説。地下鉄ジャック犯と彼と交渉する地下鉄職員との攻防を描いた作品。 非常時の対応で、その人の人間性が分かるなんて聞いたりもするが、その部分だけで人となりを判断してしまうのは、あまりにも酷だと言えるだろう。非常時はあくまでも非常時であり、いつもの力が発揮出来ないのは当然である。その時の情けない対応によって常日頃の優れた行ないや人格が帳消しになる訳でもないだろう。だが、やはり、非常時に力を発揮出来る人を頼もしく感じるのも事実であるだろう。 地下鉄の運行指令室で働くデンゼル・ワシントン演じるガーバーは、ひょんな事からジョン・トラボルタ演じる地下鉄ジャック犯ライダーの交渉相手になってしまう。刑事でも軍人でもない一介の地下鉄職員であるガーバーだが、内心ではハラハラしながらも咄嗟の機転をきかせた優れた対応をみせ、上手い具合に交渉役をこなして行く。 ガーバーの非常時の対応の良さと、そこから感じ取れる頼りになる姿が本作の生命線だと言えるだろう。だが正直、犯人との交渉を描いている事自体は、さほど珍しくはない。ただ、本作に広がりをもたせる優れた点は、作中の人物の造形がしっかりと描かれている点だと思う。 当然だが、主要な登場人物のキャラクターの深みは作品には必須である。ただ、それ以外の人物のキャラクターも蔑ろにしていない事にも本作では注目したい。世間を震撼させる凶悪事件が勃発している中、その事に心を痛めつつも、所詮は対岸の火事だという意識もそこからは垣間見れる。不謹慎な物言いになるのだが、その辺りの描写に妙なリアリティーを感じさせる。 もちろん、本作の一番の見どころは名優二人の演技の応酬である。ジョン・トラボルタの狂気とデンゼル・ワシントンの懐の深さ。タイトルにも表れている二人の激突は、スピーディーでスリリングな展開と相まって手に汗握るサスペンスを作り出している。 |
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