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恐い女、馬鹿な男 劇中のセリフでも出てくるのだが、舞台は例年以上に暑いフロリダ。それを示すように汗が効果的に使われている。顔や肌に吹き出る汗ならまだしも、シャツの脇や背中に滲む汗は普通に考えれば不快だ。しかし、その描写は弁護士が理性をなくすがごとく止まらない。それは抑圧された動物的本能の解放。人として不快に感じる汗も、そう考えると生々しくありエロティックさを助長させられとても官能的だ。 汗の描写といい、全編を通じて引っ切りなしにタバコを吸うシーンといい現代の作品ではあまり見られないテイストだが、妙に生と性に訴えかけてくる。ストーリー自体も良く練られた上質のサスペンス。 白いドレスの女に最後に残ったのは満足感よりも虚無感のようだ。 |
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