セブン １９９５　アメリカ　１２７分 監督／デヴィッド・フィンチャー 出演／ブラッド・ピット　モーガン・フリーマン　ケヴィン・スペイシー 定年間近の老刑事マセット（モーガン・フリーマン）と新しく赴任してきたミルズ（ブラッド・ピット）が現場に行くと、スパゲッティに顔が埋もれた太った男の奇妙な死体があった。
	七つの大罪をモチーフにした完全犯罪 うろ覚えだが公開時「心臓が悪い人は見ないように」といった映画のキャッチコピーだったか、映画評論家のコメントだったかを記憶している。 キリスト教の七つの大罪になぞらえた犯罪を追っていく良質なサスペンスなのだが、きわめて猟奇的であり、その描写はその文句どおりショッキングだ。と同時にいささか難しいテーマをモチーフにしたせいか、インテリジェンスな雰囲気もあり、特に幾度かある会話シーンは建設的でないが興味深い名シーン。色々な要素が混在しているからこそ本作が傑作と言われる所以だと考える。 若きミルズがこの街に来た理由は自身のレベルアップ・キャリアアップの為であろう。それは出世欲といったよこしまなモノではなく正義感に基づく純粋なモノなのかもしれない。しかしサマセット刑事や妻のトレイシーが危惧するようにこの街は地獄だった。そんな地獄の中で一度も発砲したことのないサマセット刑事のような生き方は、経験しなくては得られない賜物であり、経験者はやめろと言い、未経験者はやりたがるというもどかしさだ。 本作では時代錯誤が存在する。ブラッド・ピット扮するミルズの服装は公開時を考えると幾分時代遅れだ。その他にも狙いなのだろうか、タイプライターやアナログ版のレコードなどはミスマッチに思える。しかし、時が経ち見返してみると、時代を感じさせない、いい案配になっているのが面白い。 残虐なシーンの多さとは裏腹に映像は美しい。瞬間で止めればポストカードにもなりそうなセンスの良さだ。「踊る大捜査線」でも本作を意識するセリフがあったが、それくらい公開時には話題になった。				＞＞ＨＯＭＥ ＞＞閉じる
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