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悩める若者達の群像劇 さもすればリゾート映画と思ってしまうかもしれないが、絶妙なバランス感覚で若者達の葛藤を描いた秀作。 沖縄の青い空のコントラストとして用意されたのは若者達の心の傷。本作ではお互いを慰め合って助け合って傷を癒すような事はしない。それは身近な親しい人とする行為。ならば沖縄にきた理由は現実逃避。だから個人参加。しかし集団行動が意味を成す。ひとつの目標に皆で向かうのならば仲間意識が自然と生まれる。目標を達成しようとする気持ちや仲間を思う気持ちは前向きな気持ち。負の心境でしかなかった当初から少しでも前向きになれたのなら、もう一度自分の問題に向き合えるようになれるのかもしれない。だからといって傷を持った者同士、痛い程相手の気持ちがわかるので深くは立ち入らない。あくまでも解決するのは自分自身。そんな微妙でデリケートな感覚が本作では上手く描かれている。 驚くべきは主人公のエピソードが恐ろしく乏しいところ。しかしそこが返って本作を特徴づけていると言えよう。 そんな主人公を香里奈がしっかり演じている。もしも熱い演技だったのなら、本作は台無しだったであろう。静ともいうべき香里奈に対し金子さやかが彩りをつける。もっと色んな作品で彼女の才能を楽しみたいと感じる。 |
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