自分勝手な映画批評
レイダース/失われたアーク《聖櫃》 レイダース/失われたアーク《聖櫃》
1981 アメリカ 115分
監督/スティーヴン・スピルバーグ
出演/ハリソン・フォード カレン・アレン ポール・フリーマン
1936年、南アメリカ。インディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)は仕掛けられた罠や仲間の裏切りにあいながらも黄金の像を手に入れるのだが、ライバルの考古学者のベロック(ポール・フリーマン)に横取りされてしまう。

アドベンチャームービーの傑作

ナチスドイツが捜している「アーク」をナチスドイツより早く手に入れるようにアメリカ陸軍情報局から依頼されたインディ・ジョーンズと、ナチスドイツ及び彼らに雇われたインディのライバルの考古学者ベロックとの攻防を描いた作品。

「アーク」とは、それを掲げた軍隊は無敵だと言われる、ヘブライ人が十戒を納めた石板で、今は砂漠の下に埋もれてしまった古代都市タニスに眠っている。「アーク」を見つける為には「ラーの錫杖飾り」が必要となる。

楽しめる要素がふんだんに詰まった作品だ。お化け屋敷のようなカラクリ、カーアクションも含めた多くのアクションシーン、そして宝探しのようなストーリー展開はコンピューターゲームのアクションゲームのようでありハラハラ・ドキドキの連続だ。有名な主題曲もさらに気持ちを高揚させる。その中で、しっかりとユーモアが描かれている。そのユーモアのコミカル加減はチャップリンのサイレント映画に通じるようにも感じる。

舞台を過去に遡って設定したことも良い効果を与えていると思う。もちろんストーリー上、過去でなければ成立しないのだが、冒険にはハイテクよりもアナログが良く似合う。水上機やプロペラ機、古びた地図等、冒険心をくすぐられるアイテムだ。

キャストも素晴らしい。インディ・ジョーンズはハリソン・フォードにとって最も代表的なキャラクターではないかと思う。程よく肉づいた風貌はインテリ冒険家にマッチしており、彼のシリアス顔はインテリジェンスも意志の強さも合わせ持つ。そんな彼から放たれるユーモアはイレギュラーであるからこその面白味を与える。ハスキーボイスのヒロインを演じるカレン・アレンのじゃじゃ馬ぶりも大変魅力的だ。

本作は「007」の監督をしたいと思っていたスピルバーグの元にジョージ・ルーカスが持って来た企画らしい。スピルバーグのジェームス・ボンドも観たい気もするのだが、本作に共通点を見つけるのも面白いかもしれない。


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