ローマの休日 １９５３　アメリカ　１１８分 監督／ウィリアム・ワイラー 出演／オードリー・ヘプバーン　グレゴリー・ペック　エディ・アルバート ヨーロッパ親善旅行の一環としてイタリア・ローマを訪れたアン王女（オードリー・ヘプバーン）は、不自由な日常に不満を覚え、夜、密かに宿泊中の屋敷を抜け出す。
	ロマンティックコメディの傑作 言わずも知れた不朽の名作。このシンプルだがきらびやかな夢物語は、大袈裟かもしれないが、まるで美しいおとぎ話のようであり、主人公のアン王女、と言うよりも、演じたオードリー・ヘプバーン自身をシンデレラや白雪姫のような確固たるヒロインへと押し上げた。 何と言っても、オードリー・ヘプバーンが見どころだ。本作は彼女の出世作であり代表作。しかも彼女のキャリア内では留まらず、映画史に残る作品になっているのは彼女の魅力に因るところが大きいと思う。俗世間を知らない王女のキャラクターを、天然とも言える少しピントが外れたとぼけた演技で魅せる彼女は、実に可愛らしくキラキラと輝いている。それに伴ってか、洗練されたオシャレなスタイリングの似合うスレンダーな容姿は、冷たくクールな印象ではなく、愛らしい印象を与える。絵に描いた以上のヒロインを演じたオードリーは本作で自身のイメージを植え付けたと言えるだろう。 窮屈な生活に疲れ、自由を求め街に繰り出す王女と、彼女を記事にしたい新聞記者の互い身分を隠しながらの無邪気なローマ散策は実に微笑ましく楽しい。だが、根底にあるのは分別のある大人たちのドラマだ。だから粋でスマートなラストシーンが成立する。もどかしく切ない結末ではあるのだが、自らを律する姿に清々しい感銘を覚えてしまう。品格を持った大人だからこそ成し得るロマンティックなクライマックスなのだと思う。 私の友人はローマに行った際に本作に感化されて髪を切ってもらったそうだ。しかし、残念ながら散々な結果だったらしい。				＞＞ＨＯＭＥ ＞＞閉じる
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