< LOVE MY LIFE
自分勝手な映画批評
LOVE MY LIFE LOVE MY LIFE
2006 日本 96分
監督/川野浩司
出演/吉井怜 今宿麻美 高橋一生 石田衣良
イチコ(吉井怜)は恋人のエリー(今宿麻美)を父親(石田衣良)に紹介する。同性愛を父親が認めてくれてことに安堵するイチコだが、父親も死んだ母親も同性愛者だったことを知ってしまう。

少女から大人へと踏み出す瞬間

やまじえびねによる漫画が原作。女の子同士の同性愛を扱った作品。苦労や苦悩を抱えたマイノリティな世界での恋愛を描くのと同時に、無垢な少女が大人へと成長するキッカケ、もしくは過程が描かれている。

安っぽい観点と言われるかもしれないが、何といっても本作のポイントは吉井怜・今宿麻美という綺麗な女の子の主演作という点であろう。彼女たちはオシャレで実に可愛らしく、魅力的である。本作が綺麗な作品に仕上がっているのは彼女たちに因るところが大きい。さらには彼女たちの体当たりの演技は、上辺の雰囲気だけでなく、二人の関係の真実味を表す面で大いに意味があると思う。また、綺麗な女の子というポイントは吉井怜演じるイチコの愛されるキャラクターをわかりやすく伝える効果も与えている。

天真爛漫さは少女の最大の魅力であり、同時に欠点でもある。人間、奔放には生きられない。また自分の尺度がすべてではない。それらを知ることが大人だとは一概には言えない。それらを幼き頃から身に付けている者もいる。しかし、それらを身に付けていなければ大人としては生きて行けない。無邪気さが許されるのは、少女の純真さを理解し尊ぶ周囲の人たちのおかげである。

当初、吉井怜の演技には疑問を感じた。しかし物語が進むに連れて彼女の演技は正解なのだと感じた。そう考えれば、そんな子を持つ親を演じる石田衣良の演技も味を感じる。優しき理解者を演じる高橋一生の落ち着いた演技が素晴らしい。


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