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シネマに魅せられた男の物語 1989年公開の劇場版に後日談等が追加された完全版。映画監督である通称トトが恩師ともいえる人物の死をきっかけに自身の半生を振り返る物語。日本でも石原裕次郎の日活映画が一世風靡したように、映画はテレビが普及するまでは娯楽の王様だった。そんな古き良き時代が描かれていると同時に映画に対する情熱が強く感じる作品だ。 情熱の主はアルフレードであろう。映写技師としての誇りを再認識させてくれたのは少年トトではあったが、映画に携れなくなってもその情熱は変わらない。そして自分の夢をトトに託したのであろう。汚いと言われるような手を使ってでも。そこにトトの人生がリンクする。トトにとって映画は体の一部となっていたが、すべての情熱がそこにはなく、もうひとつの情熱を常に追い求めていた。そして裏切りを知る。しかしアルフレードからの最後の贈り物によって彼の情熱の偉大さを実感したのだと信じたい。 本作では焦点がブレているような気がする。しかし綺麗にまとまらないからこそリアルなのだと思う。 イタリア人には女性に臆さないイメージがあるでシャイで一途なトトの人物像は意外な気がした。逆に死ぬまで信念を持ち続けたアルフレードはイタリア人らしい頑固な職人気質を感じた。あまりにも有名なテーマ曲が時にはアレンジを変え何度も繰り替えされノスタルジックな世界へ引き込まれていく。 |
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