|
||||||||||||
来世で会おう… 賞金稼ぎの男が横領犯を捕まえ、連行する間の道中の騒動を描いたロードムービー。 一応、日本では馴染みの薄い賞金稼ぎ(バウンティハンター)という職業を説明すると、簡単に言えば逃亡者を捕まえて賞金を受け取ることを生業としている者である。 もう少し突っ込んで説明すると、罪を犯して逮捕され起訴された者(被告人)が、金銭を納付して一時釈放される保釈という制度がある。納付する金銭を保釈金というが、この保釈金を肩代わりする保釈保証業者(保釈金融)が存在する。 保釈金は被告人が指定された期日に裁判所に出頭し、裁判を受ければ返還される仕組みになっているが、もし被告人が保釈期間中に逃亡し、裁判を受けなかった場合には、保釈金は返還されない。それでは肩代わりした保釈保証業者(保釈金融)は丸まる損をしてしまうので、賞金稼ぎに逃亡した被告人の確保を依頼する。国によって法律は異なるのだが、これが賞金稼ぎ(バウンティハンター)及び保釈保証業者(保釈金融)のおおよそのあらましである。 話を本編に戻すと、笑いあり、アクションあり、そしてホロリとさせられる贅沢な作品となっている。伏線やギミックを含み、知恵を用いたストーリーの展開させ方は絶妙であり、一本道のロードムービーはジェットコースターのような起伏とスリルを味わえる。 その礎となっているのは登場人物のキャラクターである。それぞれクセのある個々人だが、共通して皆どこか抜けている。それこそ本作の重要なポイントであり、マヌケでなければ物語はピクリとも展開しないし、マヌケ具合が実にチャーミングで愛らしい。そしてチャーミングで愛らしいからこそホロリときてしまう。この連鎖が抜群なのである。 この素晴らしいストーリーが実現できるのは俳優陣の巧みの演技があってこそ。実は真面目な賞金稼ぎのロバート・デニーロ、優しきインテリ横領犯のチャールズ・グローディン、空気の読めないライバルのジョン・アシュトン、睨みは利くが何か足らないFBIのヤフェット・コットー等々。大いに楽しませてくれる。 |
>>HOME >>閉じる |
|||||||||||
★前田有一の超映画批評★ おすすめ映画情報-シネマメモ |
||||||||||||