自分勝手な映画批評
告発のとき 告発のとき
2007 アメリカ 121分
監督/ポール・ハギス
出演/トミー・リー・ジョーンズ シャーリーズ・セロン
退役軍人のハンク(トミー・リー・ジョーンズ)の元に、イラクから帰還していた息子のマイク(ジョナサン・タッカー)が軍を脱走したとの連絡が入る。

これも戦争がもたらす悲劇

軍を脱走した息子を捜す父親が事件の真相に迫っていくサスペンス。実話を元にした作品。

脱走兵や退役軍人、軍と警察の関係というのは実際のところ日本の社会においては馴染みが薄いはず。しかし観ていてついていけない感じにならないのは、その構図がそれほど難しくないことや、以前からこういった作品を通じて無意識の内に予備知識としてあったともいえるだろうが、息子を父親が捜すという、おそらく万国共通である親子の絆が強く描かれている点であろう。しかし、その親子がお互い軍人だということが通常の親子とは違った関係性で結ばれている。

戦争によってもたらされる被害がある。それは身体的な被害はもちろんだが、精神的な被害もおろそかにしてはならない。それは一般人だけにとどまらず、戦闘行為の現場にいた軍人にも同じことが言えよう。当たり前だが戦争は恐ろしい。正気の沙汰ではないのだ。戦争の後遺症を扱った作品があったが、今後ももこいった作品は増えていくのかもしれない。悲しい現実であり、警告なのだと思う。

仏頂面のトミー・リー・ジョーンズは頑固な退役軍人が良く似合う。しかし同じ顔でユーモラスにも見えてしまうのは彼ならではだ。シャーリーズ・セロンも男性社会で生きる女性を好演している。


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