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異色カップルが魅せる黄金のラブストーリー 命を狙われる女性歌手と彼女を警護するボディガードを描いたラブ・サスペンス。 かなり娯楽性の高い作品だと言えるだろう。身分違いとまで言ったら言い過ぎだろうが、守る騎士と守られる王女のようなロマンティックな関係を、始終、緊張感を煽り続けるミステリアスなサスペンスで包み込む。観る者の潜在的な期待と欲求に答えるべくツボを押さえた、王道の、しかもハイレベルなエンターテインメントではないかと思う。 本作の一番のポイントはホイットニー・ヒューストンのキャスティングではないかと私は思う。当時、彼女は人気も実力もナンバーワンと言っても良い程の絶頂期。しかし、それはあくまでも歌手としての話であって、役者としての実力は未知数であり、言い方は悪いが、話題作りという見方も出来たであろう。 しかし、彼女は見事に演じ切った。それは実際の彼女とシンクロする歌手という役柄の所為であるとも言えるのだが、そのシンクロが本作のクオリティーを高めたのは間違いないだろう。そして何より、彼女の歌唱力がなければ、本作の象徴であり、大ヒットした名曲「オールウェイズ・ラヴ・ユー」は生まれなかったであろう。 主人公のボディガードを演じるケヴィン・コスナーも公開時は絶頂期であったと言えるだろう。決して誇張ではなく、当時、一番輝いていたスターだったように思う。しかし、本作のキャスティングに関しては違和感があった。 当時はシルベスター・スタローンをはじめとする肉体派のアクション俳優が数多く活躍していた。ボディガード役とは、まさにそういった俳優たちのフィールドであり、ケヴィン・コスナーにはいささか場違いのように感じた。また、ここまでストレートに娯楽性の高い作風は、当時の彼の作品群からは異色のようにも思えた。 しかし、今までとは毛色の違う役柄ながら、実に魅力的に好演していると思う。ボディガードという常に危険と背中合わせの極めて硬派なキャラクターを、マッチョな雄々しさではなく、プロフェッショナルを貫く実直さで表現している。だからこそ、そこから零れ落ちる哀愁が、ロマンティックなラブストーリーへと繋がるのではないかと思う。 髪を短く刈って本作に挑んだケヴィン・コスナー。当時、同じく髪を短くした明石家さんまは、本作のケヴィン・コスナーを意識したと言っていた記憶がある。 |
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