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敏腕フィクサーの憂鬱 世界的大企業の不祥事の訴訟を中心に、それに関わる人達の人間模様を描いたサスペンス。 フィクサー(揉み消し屋)と聞けば裏家業で、それをジョージ・クルーニーが演じればスマートな主人公なのかと思いきや、フィクサーに嫌気がさして私生活も上手くいってない人物が主人公だ。しかもフィクサーに適している反面、表舞台となる弁護活動では必ずしもパっとしないからの役回りでもある。だからといって元々意欲がない訳ではない。彼の経歴はもちろんだが、分身ともいえる息子ヘンリーの姿を見れば理解出来る。 そんな複雑で枯れた主人公をジョージ・クルーニーが哀愁たっぷりに演じる。共演者も素晴らしい。物語のきっかけを作ったトム・ウィルキンソンの怪演。盲目な企業戦士を演じ、本作でアカデミー助演女優賞を受賞したティルダ・スウィントン。この二人とジョージ・クルーニーとの掛け合いも見物だ。 ストーリーは冒頭少し複雑だが、注意深く見ていれば自然と引き込まれていく。本作のストーリーなら007シリーズのような味付けをしてアクション作品にしてもよさそうだが、そう持っていかないのが本作のミソ。派手さを求めないことで、リアルな大人のクライムサスペンスに仕上がっている。真っ向勝負の正義感というよりも、綱渡りで帳尻合わせ的なトコロも良い。それは年齢を重ねればこそのしがらみであり、人物の多面性が表れているからだ。 ラストシーンはそれまでがどれ程の緊張感だったがわかる名シーンだ。 |
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