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金色に輝く星を助けたい 本作には3つの舞台が用意されている。メインとなるのは現実の世界のストーリー。脳腫瘍を患う妻と、彼女を助けたい一心で新薬の研究に没頭する夫の姿が描かれている。そしてサブ的なストーリーとして、妻が病床で書いた小説の中の世界、スペインの中世あたりを舞台にした物語が並走する。さらには、夫の精神の内部のような幻想的な世界が、それらのストーリーに絡み合って行く。 本作を簡単に言い表わせば、辛口なファンタジーとでも呼ぶべきであろうか。率直に言えば、難解な作品だと言えるだろう。ただ、独特な感性がゆえに、常軌を逸しているように感じる作風は、死に直面して、いつもとは違う感覚で時を刻んでいる、ある意味、焦点が定まらず浮遊しているような心情を上手く表現しているように思う。 何が何でも妻の命を取り留めようと、動物実験を繰り返す夫。その姿は、妻の書いた小説の主人公である戦士になぞらえる。武器を持たず、軍隊に属さなくても戦っている者は、皆、戦士であろう。愛する妻の為に挑む孤独な戦いは、雪化粧の地と相まって非情に映し出され、一途なラブストーリーとして切なく胸に染み入る。 |
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