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共感主義なファニーフェイス ファッション界を舞台にしたミュージカル作品。 オードリー・ヘプバーンの主演する映画の多くは、彼女の魅力が存分に発揮されるような作りになっているように思う。多分に洩れず本作も、その一群の作品だと言えるだろう。 ミュージカル作品であるので、もちろんオードリーも歌い、踊る。オードリーの魅力は、そのルックスも然る事ながら、仕種や表情が伝える愛らしいキャラクターなのではないかと思う。本作中盤、カフェで踊る彼女の一風変わったコミカルなダンスは、オードリー・ヘプバーンという女優の真髄を見せられたような気がする。 オードリー作品の特徴には、相手役が年上である事も挙げられると思う。本作の相手役はフレッド・アステア。取り立てて男前とは言えない風貌ではあるのだが、コンサバティブなファッションに身を包んだ、ジェントルマンな振舞いは、大人の気品を感じさせる。 そんな彼の最大の魅力は、やはりダンスであろう。本作でも素晴らしいダンスが堪能出来る。フワリと軽やかで、しかも優雅なダンスは品があり、ここでも彼の演じるディックのキャラクターを表現している言えるだろう。 本作中盤に訪れるダンスシーンでの彼のスーツ姿、少し短かめのパンツの丈と、そこから覗かせるソックスは、マイケル・ジャクソンを彷彿とさせる。 もちろん、アステアがマイケルを真似した訳ではない。真似と言うならば、マイケルがアステアを真似したという方が正しいと思うのだが、その真偽も私には定かではない。しかし、私の勝手な思い込みと決めつけではあるが、二人に感じた共通点は、ダンスを魅力とするスターの系譜を感じさせるようで微笑ましく、嬉しく思う。 ファッション界を舞台にしているだけあって、洒落たテイストが満載である。特に前半部分は、まるでファッション雑誌を見ているような気分にさせられる。その中でも、とりわけ、オープニングのタイトルバックは秀逸。これが1950年代の作品だとは到底思えない、現代でも通用するような、いや、現代でも手本に出来るようなセンスを感じさせる、奇跡のタイトルバックではないかと思う。 |
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