自分勝手な映画批評
ブロークン・イングリッシュ ブロークン・イングリッシュ
2007 アメリカ/フランス/日本 98分
監督/ゾーイ・カサヴェテス
出演/パーカー・ポージー メルヴィル・プポー ドレア・ド・マッテオ
独身のノラ(パーカー・ポージー)は、友人の結婚5周年パーティーで、母親(ジーナ・ローランズ)に結婚に関しての小言を言われる。そんな彼女は、ある日、勤務先のホテルで宿泊客の俳優のニック・ゲーブル(ジャスティン・セロー)の苦情を速やかに解決すると、彼からデートに誘われる。

がむしゃらに突き進む30代の恋愛

30代女性の恋愛を描いた作品。上手い具合に恋愛が進まないニューヨークに住む30代のキャリアウーマンがフランス人男性と知り合い物語は動き始める。ブロークン・イングリッシュとは外国人が使う文法等が滅茶苦茶な英語という意味らしい。

年相応という言葉がある。読んで字のごとく年齢に相応しいという意味で用いられる。何をもって相応しいと判断するのか? それは世間一般の平均なのだろう。ならば、その平均から外れた姿は世間一般にはどう映るのか? 違和感を感じ、もしかすると滑稽にさえ映るのかもしれない。しかし、それは懸命に生きてる本人にとっては、余計なお世話であり、ナンセンスな捉え方だろう。

語弊はあるが、30代の年相応は結婚して子供がいる姿なのかもしれない。しかし、恋愛に恵まれなかった女性が真実の愛を求めて、なりふり構わず奮闘する姿は決して滑稽ではないだろう。人生は一度、そして他人と比べるものではない。積み上げたものを捨ててでも、自分の人生に情熱を注ぐ。これこそ人間らしい生き方ではないだろうか? 

若者達の恋愛模様は美しく感じるのかもしれない。しかし、これまた語弊があるかもしれないが、少女ではないからこそ、より鮮明に生命力が映し出されているのだと思う。年相応でないことは、ある意味不幸なのかもしれない。けれど、自分の人生は自分の時間でしっかりと歩んで行けば良い。そんな事を感じさせてくれる作品だ。


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