自分勝手な映画批評
おっぱいバレー おっぱいバレー
2009 日本 102分
監督/羽住英一郎
出演/綾瀬はるか 青木崇高 仲村トオル
片手を離して自転車を漕ぐ少年たち。彼らは、その手のひらに感じる風圧が、まだ知らない女性のおっぱいの感触と同じだと信じていた。

道は目の前にあるんだって事を気づかせたい…

原作は水野宗徳の小説。中学校の弱小男子バレーボール部の奮闘を描いた作品。

何ともインパクトがある作品タイトルだ。その響きから察すれば、破廉恥な描写を連想してしまうが、その期待には応じず、内容は爽やかな青春物語である。

性に対する好奇心や想像力が最大限に活用される思春期。そんな思春期まっしぐらで、やる気のない男子バレーボール部員たちを奮い立たせるご褒美は、1勝したら新しく赴任した若くて美人な女性教師のおっぱいを拝める事だった。言わば、究極のニンジン作戦だと言って良いだろう。

実にマンガチックな設定であり、作品も当初は、その雰囲気のまま押し進められて行く。しかし、物語は次第に様相を変えて行く。少年たちの単純な思考回路は、一目散に目的へと向かう、とてつもないパワーを発揮し、その途中で様々なものを吸収していく。また、教師といってもまだまだ駆け出しで、彼らより少し年上なだけの女性教師の若さも、しっかりと少年たちと呼応する。ただ、年上なだけに、彼女には刻まれた過去がある。

本作の舞台は1970年代である。贅沢に挿入される当時の流行歌が懐かしみも込めて雰囲気を煽る。ただ一方で、時代を遡らなければ本作のような爽快感は味わえないのか?という寂しさも感じる。現代では忘れかけているようにも思える、清々しい青春が本作には詰まっている。


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