自分勝手な映画批評
ウォーリー ウォーリー
2008 アメリカ 97分
監督/アンドリュー・スタントン
声の出演/ベン・バート エリサ・ナイト ジェフ・ガーリン
ゴミが溢れてしまい人間がいなくなった地球で一人(一台)でゴミ処理作業を日々行うウォーリー。自分なりの喜びを見つけながら暮らしていた彼はある日、植物の新芽を見つける。すると巨大な宇宙船が突如として現れた。

ロボットから教わる大切な忘れもの

ゴミ処理ロボットを主人公としたCGアニメーション作品。

舞台は29世紀。思考力と感情を持った作業ロボットが主人公。しかし思考力は良く言えば純粋、悪く言えば単純なので、まるで子供のような趣きである。しかしロボットなのでしっかりと与えられた仕事はこなす。したがって、ロボットの姿はしているのだが、賢い子供が主人公の作品を観ているような感慨になる。更には感情が無垢なので一層愛らしく感じてしまう。

天涯孤独なウォーリーが出会った待ち人ならぬ待ちロボット・イヴ。趣味であるミュージカルビデオ鑑賞によって育まれたロマンティックな感情がウォーリーを突き動かす。しかし物語はラブストーリーに留まらず、さらなる展開へと進んで行く。

ファンタジーなムードで包まれてはいるのだが、未来がこうなってしまって良いのか?というメッセージも含まれているのだと思う。未来の人間の有り様にはゾっとした。現代は、まだまだ便利さの追求している段階だとは思うが、便利すぎる故の弊害というのも対にして考えるべきなのかもしれない。

ロボットが声を大にして訴える訳ではない。しかしロボットを見て心が動く。それはどこか子供の姿を見て教えられるのと似ているように思える。

登場するロボットは、ほとんど言葉を発せない。なのでサイレント映画のような要素も多分に含む。アニメーションにはうってつけの状況だと言えるのだが、それでも動きだけで楽しませるのは凄い。本場の実力を見せつけられた感がある。


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