自分勝手な映画批評
アメリ アメリ
2001 フランス 122分
監督/ジャン=ピエール・ジュネ
出演/オドレイ・トトゥ マチュー・カソヴィッツ
幼い頃の様々な体験から人とは違った感性を持ったアメリ(オドレイ・トトゥ)は不思議な女性に成長していた。モンマルトルのカフェで働く彼女は、ある日、自宅のアパートで子供の宝箱を見つけるのだが…

心が和むイタズラのオンパレード

不思議な女の子、いわゆる不思議ちゃんのイタズラの模様がおもしろおかしく描かれていく。オドレイ・トトゥ演じるアメリはオードリー・ヘップバーンを意識しているかのようであり、ストーリーもヘップバーンが出演しているようなロマンティックコメディの部類に属するのだろうが、フランス人が作ったからか、また違ったセンスを感じる不思議な魅力の詰まった作品に仕上がっている。

幼児体験によりアメリは孤独な女の子だ。仕事仲間もいて、隣人もいて、父親にも頻繁に会っているがひとりぼっち、夢の世界に閉じこもり、内気なままに暮らしている。だから人との接し方がわからない。だからといって人に関心がない訳ではない。むしろ関わりたいからこそのちょっと素敵なイタズラなのだろう。そして恋。自分が不思議ちゃんだと理解して、感性がわかりあえる相手にめぐり会う。でも表現方法はイタズラ。しかし、おせっかいと思える程の人の優しさに触れた時、からまっていた心の糸が解け、絵の中の少女ではなくなる。

なんといってもアメリがキュート、そして彼女自身がとてもロマンティックだ。彼女は皆の幸せを願っている。だからといって決して説教じみた行動ではなく、導くようにアシストする加減が何ともロマンティックだ。

作品自体、色彩を工夫したオシャレな感じに仕上がっているのだが、ただの不思議なファンタジーではなく、独特のエスプリが存分に効いているフランス流の上質なロマンティックなラブコメディである。ところどころのブラックなユーモアもピリっとくる。


>>HOME
>>閉じる



★前田有一の超映画批評★

おすすめ映画情報-シネマメモ