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アン・ハサウェイが体当たりで挑んだ若者の実態 偏見だが、少なくとも今の時代、タイトルに俳優名が入ってること自体、作品に対する期待薄感を得ずにはいられない。本作はヌードシーンもあり、そちらに印象を持っていかれそうだが、内容自体、中々興味深い。 いわゆるミドルもしくはアッパークラスの家庭の子供が違う世界に憧れる日常を描いた作品である。昨今のアメリカのセレブともてはやされる若い著名人のゴシップ記事を目にすると、本作に妙にリンクし、これがアメリカのある意味現状なのかと思ってしまう。 話は逸れるが、以前雑誌を見ていたら「セレブはチャリティがお好き」という記事が載っていた。ハリウッドスターのチャリティの様子が記載されていたのだが、その目的や意義については触れず、スターが愛用のブランドの服やバッグを紹介するがごとく、まるでチャリティが今流行ってる、オシャレだといった調子で書かれていたことに驚いた。確かに著名人の行動は注目され影響力もあるのだから、紹介や報道することで良い効果を生むのかもしれない。しかし本質を得ず、あまりにもファッション的な記述には怒りを感じた。ファッションを楽しむのは悪いことではない。しかし本質と装飾の区別はしっかりとつけなければならないと思う。 そこで本作。信念があれば悪に染まっても良い訳では決してないのだが、思春期に、ともすればエスカレートして犯罪になってしまうような不良性に憧れることはあると思う。しかし深く考えもせず、単にカッコイイからと簡単に一線を越える若者の姿に恐さと憤りを覚える。若さ故の盲目もあるだろう。しかし、あくまでもファッションとして上水だけをすくっていればまだしも、勘違いして深みまで求めるなら、そこは奈落だ。 本作は若者の実情を描いた現代の過激な青春映画だと言えるが、同時に作り手である大人たちからの若者への警告と批判が込められている作品のように感じる。 |
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