|
||||||||||||
最後はきっとハッピーエンド ヘンテコではあるが名は体を表す良いタイトルだ。イジメられている人間の視点じゃないのが驚くが、それぞれ多くの普通の人が色々と抱えているものだろう。空想の物語のハッピーエンドを願う事自体、残念ながら不幸なのだ。 子供の頃、親に何かお願いする時、「みんなやってるから」「みんな持ってるから」ってよく言ったものだ。すると必ず「みんなって誰だ!」って言われた。子供の価値観は揺るぎない。絶対的経験値が少ない分YES・NOがはっきりしている。そして価値判断の基準は「みんな」である事も多い。しかし年齢を重ね多くを経験するにつれYES・NOがあやふやになり価値観が揺らいでくる。自我が芽生え個に対する欲求が生まれる。成長するのは容易い事ではない。目先だけを変えて成長を偽装する事もできる。ある意味、本作の主人公のように。しかし夢物語のハッピーエンドではなく地に足つけてハッピーエンドを願うのなら、それは間違い無く成長だろう。 効果的に自然の緑が用いられており、本作で描かれる若者は若草や若葉といったイメージであろう。瑞々しく、でも弱々しく危なっかしい。そう考えると多少つたない演技も魅力的に感じる。比べて大人達の演技には安定感がある。石原真理子と奥貫薫の母親像の違いは面白く感じた。 望遠レンズを駆使して自然な演技を収めたらしい。だからこそ非現実的なシーンは特出する。 校庭のけやきの枝が懐かしい。 |
>>HOME >>閉じる |
|||||||||||
★前田有一の超映画批評★ おすすめ映画情報-シネマメモ |
||||||||||||