自分勝手な映画批評
となり町戦争 となり町戦争
2006 日本 114分
監督/渡辺謙作
出演/江口洋介 原田知世 瑛太

笑ってはいられない問題作

タイトル通りとなり町同士での戦争を扱った作品。まず現在の日本ではかなりの確率でありえない内容なのだが、全然コメディではなく、戦争というテーマを今までにない斬新なアプローチでシリアスに描いている。

軍事力を用いて戦闘を行う戦争を自らの意志で開始できる立場の人間は非情に少ない。兵役に従事している者にとって戦闘行為は業務、言わば仕事というのは考えてみれば当たり前なのだが、その当たり前の現実に驚愕する。そして普通の生活、例えば食事をして仕事にしてといった普通の生活の裏で戦争が行われている事実に、その戦争により人が死んでいる事実に恐怖を覚える。

ありえない設定なのは日本での話。世界のどこかで戦争や紛争が起きている。第2次世界大戦やベトナム戦争を取り上げる作品は多いが、そこまで大規模ではない戦争が今も世界で起きている。もしそれが今の自分に起きたとしたら。生活の中に戦争が入り込んでいたら… そう考えると本作が妙に生々しくリアルに感じる。


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