自分勝手な映画批評
東京タワー 東京タワー
2005 日本 126分
監督/源孝志
出演/黒木瞳 岡田准一 松本潤 寺島しのぶ
12月の東京。詩史(黒木瞳)と透(岡田准一)は3年前の出会った日の事を思い出していた。

となり駅へ進む勇気

原作は江國香織による小説。歳の差のある2組のカップルの恋愛を描いた作品。2組とも女が年上で人妻。男は大学生で友人同士。

好感度の高い人気俳優たちのキャスティングは本作の特徴のひとつだ。特に岡田准一と松本潤の共演は目を引く。多くは本来の自身のイメージを大きく損なうことのない、身の丈に合った配役と言えるだろう。しかし、本作で描かれているのは不貞行為からなる愛憎劇。過激とまでは言わないが、際どく魅せてくれる。

純粋に愛を求める者、今の生活は壊したくない者、抑え込まれた感情をぶつけたい者、単に自分の趣味嗜好に従う者。インモラルな世界の住人の言い分は様々だ。秘め事としての締め付けが強ければ強い程、内なる炎は燃え上がるものなのかもしれない。その中で計算の苦手な者たちは奈落の底へ落ちて行く。もっとも、計算を必要としない世界では何の問題もないのだろう。

しかし、不倫を肯定する気持ちはさらさらない。人気キャストの熱い恋愛模様の片隅で、その批判は語られている。それを判断するのは観る者次第なのであろう。

パリ・ロンドン・ニューヨーク等、映画を通じて各都市の個性を魅力たっぷりに感じることが出来る。ならば、東京を舞台にした作品で東京を魅力的な街として感じられるかと言えば、私は今まであまり感じたことがなかった。本作は随分と綺麗に東京が描かれている。写真映りが良い人がいるが、正直それに似た印象は否めない。だが、東京という街が綺麗に映しだされていることは嬉しく思う。


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