自分勝手な映画批評
デス・レース デス・レース
2008 アメリカ 105分
監督/ポール・W・S・アンダーソン
出演/ジェイソン・ステイサム ジョアン・アレン  イアン・マクシェーン
2012年、アメリカ経済は破綻し失業率は過去最高。犯罪が多発し刑務所の収容力が限界に達した為、民間企業が営利目的ですべての刑務所を経営していた。ターミナル島刑務所では金網ファイトをネット中継し大好評を博したのだが観衆はすぐに飽き、更なる刺激を求めた。こうして「デス・レース」が誕生した。

究極のカーレース

囚人たちによる刑務所内の殺人カーレースを描いた作品。重く荒廃した雰囲気や車の改造スタイル、レースの模様は「マッド・マックス」シリーズに通じるようであり、同時にテレビゲームを思わせるような世界観でもある。

設定の特異性は確かに面白いが、リアリティの皆無は、ともすれば作品のクオリティに危うさをもたらしかねない。それを踏み留ませるのはジェイソン・ステイサムの存在だ。何故か彼はカーアクション作品への出演が多い。彼の雄のフェロモンをプンプンと臭わすマッチョなスタイルは、オイルの香りが漂う世界が良く似合う。逆に捉えるならジェイソン・ステイサムのカーアクション俳優としての魅力を味わう為の異端ではあるが究極の作品と言えるのかもしれない。

エンターテイメントに特化したシンプルな作品構造は観る者を惑わせない。卑劣な悪役である刑務所の所長を演じるジョアン・アレン、コーチという役名がピッタリの良きアドバイザー役のイアン・マクシェーンは申し分ない。おどおどしたフレデリック・コーラーもイイ味を出している。


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