自分勝手な映画批評
チーム・バチスタの栄光 チーム・バチスタの栄光
2008 日本 118分
監督/中村義洋
出演/竹内結子 阿部寛

新しい方法論を用いたクライムサスペンス

心臓手術(バチスタ手術)中の術中死の謎を追求するサスペンス。出尽くした感のあるエンターテイメントのストーリーの形に新しい形をつくり出した作品と言える。

そもそも無防備に体を預け、体を臓器を刃物で切られる手術は善意の信頼がなければ成り立たたず、医者という職業だからこそ無条件で成り立つ行為である。逆に言えばそこに悪意があるのならば簡単に人は殺せる。比較的明るいタッチで描いているが、そう考えると恐ろしい事である。

モデル出身の阿部寛は年月と実績を重ね立派な演技派俳優へと変貌した。しかし本作での阿部は名演を通り越して怪演とも言えるような演技を披露してる。阿倍の豊かな風貌はデビュー時はモデルとして美しく機能していたが、今は、少なくとも本作では怪しくコミカルな雰囲気を醸し出すのに機能している。望んでか望まれてかはわからないが、自分の身体的個性をしっかりと武器にしている阿部はやはり優れた役者だ。

竹内と阿部は2003年のテレビドラマ「笑顔の法則」で相手役同士として共演している(野際陽子も共演)。違う作品での二人を見比べてみるのも面白いと思う。


>>HOME
>>閉じる





★前田有一の超映画批評★

おすすめ映画情報-シネマメモ