自分勝手な映画批評
ショウほど素敵な商売はない ショウほど素敵な商売はない
1954 アメリカ 117分
監督/ウォルター・ラング
出演/エセル・マーマン ドナルド・オコナー ダン・デイリー
1923年、駅で列車を待つ間、テリー(ダン・デイリー)とモリー(エセル・マーマン)の夫婦は子供たちの教育方針について意見を対立させていた。

心配無用? 笑わせるわ

主に1930年代後半のアメリカを舞台にした、ショービジネスで生計をたてる一家の物語を描いたミュージカル作品。

技ありな邦題だと思う。原題の意味を保ちつつ「ショー」をあえて「ショウ」にし、「商売」と韻を踏むようにした遊び心は特級品。ついついニヤリとさせられる。

20世紀初頭、ボードビリアンとして各地を巡業しているドナヒュー一家には問題があった。それは3人の子供たちの教育に関してである。各地を転々とするので学校には通わせられない。子供と一緒に過ごしたい父のテリーは、それで良いとするのだが、母のモリーは学校で教育を受けさせるべきだと主張していた。結局、モリーの主張が勝ち、子供たちは学校に預けられる事になった。テリーとモリーは、今までどおり巡業をしていたのだが、ある日、学校から連絡が入った。未遂には終わったのだが、子供たちが学校からの脱走を企てたのだった。子供たちの生活態度に問題はなかった。しかし、子供たちは両親と離れている事、そして舞台から離れている事を寂しく思っていたのだった。そこでテリーとモリーは、初めて家を購入して子供たちを引き取り、一緒に生活する道を選ぶのだった。丁度その時、大恐慌が発生する。景気が悪くなり一緒にボードビリアンとしては働けなくなったが、それでも別々に歌とダンスで家計を支えるテリーとモリー。そんな地道な努力が実ってか、やがて再び運が向きだし、全国の映画館回りの仕事が得られるようになった。そして1937年、末っ子のティムが高校を卒業。上の2人の子供も合わせて「ドナヒュー5人組」の名前でステージに一家で上がる事となり、ヒポドローム劇場の看板スターとなった。但し、子供たちはお年頃。それぞれに色々と事情や問題を抱えていた。

ショービジネスの世界を描いているだけあって、俄然ミュージカル色が強い作品になっている。メインキャストとなるドナヒュー一家の面々に手足れたダンサー、シンガーを集めた事もあってパフォーマンスは申し分ない。加えて、ショーの演出でも凝った趣向が施されており、存分に楽しませてくれる。この質も量も贅沢なミュージカル部分が、本作の最大の見どころとなる事だろう。

ただ、ミュージカル部分を重視した為か、本当なら一家の人間模様を複雑にこねくりまわしても良さそうなものだが、ストーリーは至ってシンプルである。但し、薄っぺらいという訳ではない。厳選し、抽出したと表現するのが正しいだろう。シンプルだからこそストレートに伝わる。そういった図式がラストシーンの感動を届けたのだと言えるだろう。

本作はマリリン・モンローの出演作として有名な作品ではあるが、正直、モンローの力量を考えれば不相応な役柄だと思う。もっとも、ストーリーに波紋を起こす役柄なので重要ではある。しかし、モンローでなくても、美しい女優であれば務まったであろう。

だが、それでもしっかり存在感を示すモンローは、やはり希有なスターである。本職を従えて魅せる、可愛らしくも色っぽいモンローのミュージカルは必見である。


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