自分勝手な映画批評
シンシナティ・キッド シンシナティ・キッド
1965 アメリカ 103分
監督/ノーマン・ジュイソン
出演/スティーブ・マックィーン エドワード・G・ロビンソン
葬式が行われている横を通り過ぎるシンシナティ・キッド(スティーブ・マックィーン)。そこで彼は少年にせがまれ、コイン投げの賭けをする。

年季が足りない

大勝負に挑む若きギャンブラーを描いた作品。

ギャンブルの世界が舞台なので、勝負事の緊張感が最大の見どころではあるのだが、多彩な登場人物が作品を面白い方向に向かわせているのだと思う。

才能ある若きギャンブラーを中心に、彼の後見人とも呼べるような生真面目な男。その男の妻で欲望に正直な女。金持ちで支配欲の強い男。ギャンブルの世界に名を轟かせる王者。そして主人公の恋人で、日陰に咲く花のように意地らしく可憐な女。このようなキャラクター性の豊かな登場人物が、物語に広がりを与え、作品を面白くさせて行く。

中でも、エドワード・G・ロビンソン演じるギャンブル界の王者ランシー・ハワードが良い。徒党を組まない彼は、正々堂々、腕一本で王者に君臨している。彼が紳士だからこそ、本作には一本、筋が通っていて、ホロ苦くも清々しい勝負事の見応えを感じさせる魅力ある作品になっていると思う。


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