自分勝手な映画批評
セブンティーン・アゲイン セブンティーン・アゲイン
2009 アメリカ 102分
監督/バー・スティアーズ
出演/ザック・エフロン マシュー・ペリー レスリー・マン
1989年、ヘイデン高校に通うバスケットボールが得意な心優しき高校のスター、マイク・オドネル(ザック・エフロン)は大学のスカウトが見に来る大切なバスケットボールの試合に臨もうとしていた。その試合の開始直前、彼の前に、いつもと違う不安げな、彼のガールフレンドのスカーレットが現れる。

急に訪れたセカンドチャンス

仕事も家庭も上手くいかない37歳の中年男性が、ある日突然17歳に戻ってしまう物語。

「過去に戻れたら…」なんて思いは、ちょっと不健全なのかも知れないが、時には良いだろう。もっとも「あの学生時代の楽しい日々をもう一度」なんて思いは、旧友との思い出話の楽しさの中で、多少なりとも解消されてしまうのかも知れない。

「今現在の自分が若かりし頃に戻れたら、同じ轍は踏まない」なんて、そんな思いがよぎる事もあるのかも知れない。そんな思いを巡らせる事は愚かで馬鹿げてはいるが、それは無意識での過去に対する復習であり、もしかしたら、これから起こりうる現実の問題を解決する予習になっているのかも知れない。

本作は、偉大なる名作バック・トゥ・ザ・フューチャーのようにタイムマシンを使う訳ではなく、ましてや、過去に戻る訳でもない。突然17歳に戻ってしまうのは自分だけで、その他は現在のまま。妻も親友も中年のままだし、しかも、同世代となった自分の子供達と同じ高校に通う事になる。その設定が実に上手い。

主人公マイクは見た目は17歳だが中身は37歳。精神は妻も子もいる立派な大人なのだ。我慢し続け、失われた20年間を取り戻すべく、より良いセブンティーン・ライフを謳歌しようとするのだが、夫として父親として積み重ねた約20年間が、それを手放しでは許さない。それは責任感というよりも、もはや本能であろう。但し、セカンドチャンスに挑んでいるのは間違いない。マイクの17歳のフィールドでの奮闘は、知らず知らずに変化をもたらして行く。

今まで見えなかったものが、立場や状況を変えると見えてくる。ユニークな手法がとられているのだが、それこそ、本作のテーマであり、伝えたいメッセージなのではないかと思う。

率直に言えば、比較的オーソドックスなテーマだと言えるだろう。だが、そういったオーソドックスなテーマを、素晴らしいエンターテインメントに仕上げるのがハリウッドの優れた特性であろう。本作も、その手腕が遺憾なく発揮され、ユーモア満載で実に多くの楽しさがちりばめられた娯楽作品に仕上がっている。


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