自分勝手な映画批評
そのときは彼によろしく そのときは彼によろしく
2007 日本 114分
監督/平川雄一朗
監督/長澤まさみ 山田孝之 塚本高史 国仲涼子
水草の販売店を営む智史(山田孝之)は実家で荷物の整理をしていると、幼い時の友達と一緒に写った写真を見つける。その写真を持って店に戻ると見かけぬ女性(長澤まさみ)が店の前で待っていた。

戻り行く魂に授けた伝言

原作は市川拓司の小説。幼馴染み3人の数奇な運命を描いた作品。幼い時に離ればなれになってしまった最愛の人たちとの13年振りの再会。それぞれの蓄積された想いが不幸にもすれ違う。重いテーマではありながら、設定やリアリティーの面も含めて考えると、ファンタジーを思わせる作風になっている。

若手人気俳優の共演、しかも人の生死が大きな要になっている作品ではあるが、若き血潮の漲る熱い作品ではなく、どちらかと言えば淡々とした印象で物語は進行する。あからさまに見せつけるのではなく、柔らかく繊細なタッチで描かれるその空気感は、どこかあだち充の漫画のイメージに通じるように私には感じた。

そのひとつの要因としては山田孝之の演技が挙げられると思う。彼はハードな役柄も巧みにこなすのだが、本作のようなナイーブな持ち味も忘れないでいてほしいと思う。

本作の世界観をぶち壊す余談だが、国仲涼子と山田孝之はNHK連続テレビ小説「ちゅらさん」で姉弟役で共演している。



>>HOME
>>閉じる






★前田有一の超映画批評★

おすすめ映画情報-シネマメモ