自分勝手な映画批評
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2008 アメリカ 96分
監督/マーク・レヴィン ジェニファー・フラケット
出演/アビゲイル・ブレスリン ジョディ・フォスター ジェラルド・バトラー
科学者の父ジャック(ジェラルド・バトラー)と無人島で暮らすニム(アビゲイル・ブレスリン)は冒険小説「アレックス・ローバー」の大ファンだった。一方、作家のアレックス・ローバー(ジョディ・フォスター)は原稿の執筆作業に追われていた。

世代を越えて交わるそれぞれの冒険

無人島に暮らす少女と外出恐怖症の女流作家のそれぞれの冒険を描いた作品。少女の冒険は、大きく捉えるならば、未来に向けての成長するためのハードル。しかし女流作家の冒険は過去のトラウマに対する挑戦である。

ありきたりと言ったら言い過ぎだが、少年少女の冒険物語は良くある話。しかし、大人の苦手の克服を冒険になぞらえるのは不意を突かれた感のある面白い発想だと思う。しかも少女の冒険との対比。すべてに当てはまる訳ではないのだが、子供の挑戦に対しては「ガンバレ!」と素直に応援出来ることも多いだろう。しかし大人の克服にはなかなかそうはいかない。しかし克服の動機や過程を重くせず、シンプルでコミカルに描いているのは面白く、好感も持てる。深読みすれば、皮肉たっぷりのユーモアなのかもしれない。

無人島での生活は子供の頃に憧れたトム・ソーヤーやハックルベリー・フィンの世界。本作のテーマは世代の違う二人のそれぞれの冒険であるのだが、アジトのような無人島生活の優れた描写にも子供心を思い出しワクワクしてしまう。インターネットに繋がっているのは現代的であり現実味を感じる。電源のとりかた等おざなりにしていないのも良い。

余談だが、少女と女流作家の対比はキャストの対比でもある。天才子役のアビゲイル・ブレスリンと元天才子役のジョディ・フォスターの組み合わせは、なかなか面白い。


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