自分勝手な映画批評
ロビン・フッド ロビン・フッド
2010 アメリカ/イギリス 141分
監督/リドリー・スコット
出演/ラッセル・クロウ ケイト・ブランシェット マーク・ストロング
ノッティンガムの領主のロクスリー家に夜半、盗賊が忍び込み、大切な穀物の種をすべて盗んで行った。

幾たびも立て、子羊が獅子となるまで

伝説の英雄ロビン・フッドの誕生秘話を描いた作品。

無知な私でもロビン・フッドの名前は知っている。ただ、残念ながらロビン・フッドに関する私の知識はそこまでである。本作は、そんな私でも楽しめる作品である。

12世紀末、イングランドの獅子心王リチャードは、10年に及ぶ十字軍遠征で富も栄光も失い、各地で城を略奪しながら帰国の途についていた。1199年、フランスのシャールース城に辿り着いたリチャードの軍は、城を攻撃して打撃を与える。とりあえずの目的を果たした軍は一旦攻撃を停止し、城の前に陣営を張り、束の間の宴に興じていた。軍に参加しているロビン・ロングストライドは、そこで同僚といざこざを起こしてしまう。ケンカを制止されたロビンは、自分が先に手を出した事を素直に認める。そんな正直なロビンに対し、リチャードは十字軍遠征を率直にどう思うかと尋ねる。ここでもロビンは正直であり、リチャードに十字軍遠征での不満を話した。そんなロビンの態度や意見に理解を示したかに思えたリチャード。しかし、ロビンは仲間と一緒に拘束されてしまった。翌朝、軍はシャールース城を制圧にかかる。しかし、その戦闘の最中、リチャードは敵の矢に撃たれて死亡してしまう。その騒動に乗じてロビンは仲間を連れて軍を脱走するのだった。一方、亡きリチャードの王冠をイングランドへといち早く届けようとする一行がいた。しかし、イングランドの人間なのだがフランスと密通しており、リチャード暗殺を目論んでいたゴドフリー率いる一味に待ち伏せに遭い、全滅させられてしまう。たまたま、そこを通りかかったロビンたちはゴドフリーらを攻撃して追い払う。そこでロビンはリチャードの王冠を届けようとして襲われ、虫の息のロバート・ロクスリーから自分の剣を父であるノッティンガムのウォルター・ロクスリー卿に届けてほしいと頼まれるのだった。

前述のとおり、ロビン・フッドの知識がなくても楽しめる作品である。同時に、イングランドの歴史も少しではあるが勉強出来る作品だとも言えるだろう。異国の時代モノなんてジャンルは取っ付き難く、敷き居が高いと感じている人もいるかと思うのだが、それは杞憂であるだろう。素人にも理解出来る適格な説明が、さりげなく要所に組み込まれているので置いてきぼりにされる事はない。このような物語の進め方には、作り手の優しさが感じられる。

作品内容は、非常にスケールの大きいスペクタクルである。しかも、個人的には前後作に分けても良かったのではないかと思う程にボリュームたっぷりに多くの事柄が詰め込まれている。従って、多少の混雑を感じる面はある。しかし、核心は至って明解であるのが本作のポイントだ。なので仰々しい外見とは裏腹に実に見やすい作品に仕上がっている。アクションを重視している点も見やすさの一端を担っていると言えるだろう。

ラッセル・クロウがロビン・フッドを好演。本作のような無頼な役柄とクロウとの相性は抜群であるだろう。クロウは繊細さを用いて男らしい艶やかさを醸し出す。本作のロビン・フッドもクロウらしさが満載であり、魅力的なキャラクターに仕立てられている。

ヒロインを演じるケイト・ブランシェットも素晴らしい。健気な女性を凛とした姿で見事に演じている。


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