自分勝手な映画批評
ラストキング・オブ・スコットランド ラストキング・オブ・スコットランド
2006 イギリス 121分
監督/ケヴィン・マクドナルド
出演/フォレスト・ウィテカー ジェームズ・マカヴォイ
医大を卒業したニコラス(ジェームズ・マカヴォイ)は意気揚々とウガンダで医師としての第一歩を踏み出すのだが…

独裁者の間近で見る70年代のウガンダ

1970年代のウガンダの独裁者イディ・アミンの姿と当時のウガンダの世情を描いた作品。大統領まで登り詰めた男のカリスマ性、その裏側の繊細さ、そこから導かれた残忍さが描かれている。

しかし、それもさることながら、もうひとりの主役ともいえる青年医師ニコラス・ギャリガンも対極の存在としてでなく、同様な人物として描かれている。若さゆえとの言い訳はもはや通用しない彼の利己主義、高慢さは見ていて不快である。立場こそ違えど結局は似たもの同士、だからこそ側近として迎えられたのであろう。救いようがない内容なのだが、だからこそ学ぶべき事がある。だからこそ優れた作品だと言える。

イディ・アミンを演じたフォレスト・ウィテカーは本作で第79回アカデミー賞主演男優賞を受賞。彼の人懐っこい笑顔が作品が進むにつれ恐ろしくなっていく。若き医師ニコラスを演じたジェームズ・マカヴォイもフォレスト・ウィテカーに劣らず憎らしいほど素晴らしい演技を見せてくれる。


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