自分勝手な映画批評
NY検事局 NY検事局
1997 アメリカ 113分
監督/シドニー・ルメット
出演/アンディ・ガルシア リチャード・ドレイファス イアン・ホルム

シンデレラボーイが現実を直視するまで

サスペンスの要素も多分にあるのだが謎解きではなく、主人公がアリ地獄のような現実に落ちて行く様を描いた社会派ドラマ。BGMがほとんどなく進む物語は、小細工することなくなく芋づる式に暴かれていく悲しいストーリーと名優達の演技を真正面から見せてくれる。

アンディ・ガルシアを筆頭にそれぞれの俳優が自分の見せ場で実力を遺憾なく発揮している。特にロン・リーブマンの明るすぎる陽と寂しすぎる陰のギャップ、ジェームズ・ガンドルフィーニの人間の弱さと優しさと正義感が同居した何とも言えない笑みが印象に残った。

世の中、白と黒とに完全には分けられない。それが不正なのかテクニックなのか様々な理由があるにせよ悲しき現実。どこまで遡れば白になるのだろう。


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★前田有一の超映画批評★

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