自分勝手な映画批評
ミニミニ大作戦 ミニミニ大作戦
1969 イギリス 99分
監督/ピーター・コリンソン
出演/マイケル・ケイン ノエル・カワード マーガレット・ブライ
アルプスのワインディングロードを走行中のランボルギーニ・ミウラ。しかし、トンネルの出口で待ち伏せに会い大破してしまった。

ストッキングをかぶるのか?

イタリアのトリノで400万ドルの金塊を盗み出そうとするイギリスの強盗団の姿を描いた作品。

作品タイトルのミニとは、イギリスの小型自動車のミニ(初代)の事。本作は作品タイトルが示すとおりミニが活躍し、他にも往年の名車が随所に登場する作品である。よって自動車ファンにとっては嬉しい作品ではないかと思う。特に冒頭のランボルギーニ・ミウラの勇姿は、実に価値ある映像ではないかと思う。

刑務所を出所したチャーリーは、死んだロジャーの意志を引き継ぎ、イタリア・トリノで400万ドルの金塊を強奪する計画を実行しようと目論む。チャーリーは自分のいた刑務所に忍び込み、そこに服役している犯罪組織のボスであるブリッジャーに計画の支援を要請するのだが断られてしまう。チャーリーの無礼な振る舞いに怒ったブリッジャーは手下のフレディにチャーリーを懲らしめるように指示。フレディは仲間を引き連れチャーリーの自宅に行き、チャーリーを襲うのだった。しかし後日、ブリッジャーの気が変わりチャーリーの計画に理解を示す。後ろ楯を得たチャーリーは計画の準備に取りかかるのだった。

何といっても本作一番の見どころは、それぞれが赤・白・青にペイントされた3台のミニが繰り広げるカーアクションシーンだ。そのカーアクションを見て私が思い出したのはルパン三世カリオストロの城のカーチェイスと「街の遊撃手」とのキャッチコピーも印象に残るいすゞ・ジェミニのコマーシャルだ。それらが本作の影響下にあるのかは私には分からない。しかし、少なくとも共通点は見出せるだろう。

カーアクションの魅力といえば荒々しい豪快さであり、そこでの臨場感や緊迫感だと思うのだが、本作は少し趣きが違う。臨場感や緊迫感はそのままなのだが、豪快と言うよりもコミカルなのである。そういったパフォーマンスは可愛らしいミニのイメージにマッチしており、また、逆にミニの可愛らしさを最大限に活かしているとも言えるだろう。ユーモラスで微笑ましくさえ感じてしまう本作のカーアクションシーンは映画史に残るような名シーンではないかと思う。

但し、この名カーアクションシーンは、あくまでも本作の余興であるだろう。本作の根底にあるのは社会を風刺する精神であり、あえて際どいテーマを取り上げ、それを笑いに変えてしまおうという少しへそ曲がりな精神が本作の基調となっているのだと思う。秀逸なカーアクションばかりがトピックになりそうな作品ではあるのだが、シニカルでブラックな英国流のコメディーセンスが充満している作品である。


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