自分勝手な映画批評

ガールフレンド ガールフレンド
2005 日本 105分
監督/廣木隆一
出演/山田キヌヲ 河井青葉
ホテルの一室、カメラマンのキョウコ(山田キヌヲ)はミホ(河井青葉)をモデ ルに撮影をしていた。

不器用で足踏みしていた二人の女性が出逢った…

若手女流カメラマンと彼女のヌードモデルとなる美容師の女性を描いた作品。

よくよく考えてみたら、ガールフレンドにしてもボーイフレンドにしても、フレ ンドの前に性別が付く呼び方は、大抵の場合、異性に対してではないかと思う。 同性に対して、この呼び名を用いるのは、もしかすると恋愛感情がある場合なの かも知れない。

但し、本作では、そこまでの関係性では描かれていない 。そのような関係性に発展する可能性を匂わせる感じは見えるのだが、少なくと も本作の段階では、同志とか戦友といった言葉の方がしっくりくるのではないか と思う。

煮え切らない毎日を過ごす若い女性ふたり。彼女達に本来なら ば接点はない。それぞれの道をそれぞれが歩んで今日まで来た。だが、それは運 命なのかも知れないが、思わぬ所で交わり、思いを共有する事になる。彼女達は 、抱えている苦しみこそ異なれど、辛い日々を送っている面では同じだったと言 えるのだろう。

彼女達は、まるで、目一杯に膨らんだ水風船のようだ。 気は張り詰めているのだが、些細なきっかけで割れてしまうような緊張感を漂わ せている。破裂したらこぼれ落ちるであろう中身は、彼女達の溜め込んで流す事 が出来なかった涙なのかも知れない。

率直に申し上げれば、主役二人の 演技力は未熟に感じてしまう。しかし、それは本作には良い作用をもたらしてい るのではないかと思う。手慣れた技術は本作には不要だ。不器用にも感じる演技 は、作中の二人の人物像にシンクロする。だからこそ不安定な個人的な心情が上 手い具合に表現出来ているのではないかと思う。

本作以降の彼女達がど のような道に進むのか、想像力を刺激する。女性同士の恋愛に比重が置かれてい るLOVE MY LIFEと見比べ るのも面白いのではないかと思う。


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