自分勝手な映画批評
荒野の七人 荒野の七人
1960 アメリカ 128分
監督/ジョン・スタージェス
出演/ユル・ブリンナー スティーブ・マックイーン チャールズ・ブロンソン
とある村にカルヴェラ(イーライ・ウォラック)率いる盗賊団が現れ我が者顔で村を闊歩し略奪をする。彼らの対応に困る村人達は長老(ウラジミール・ソコロフ)に相談すると、長老は彼らに「戦え」と激を飛ばす。しかし農民である村人は戦い方がわからない…

名優たちが魅せる男の生きざま

黒澤明監督の「七人の侍」のリメイク。薄っぺらいイケメンたちとは訳が違う、脂が乗った男たちが実にカッコイイ。そのプロフェッショナル振りはどこかオーシャンズ11と通ずるところを感じるが、時代が違うからなのか、その男っぷりは本作が上手だ。

単純に正義が悪を退治するといった具合ではない。ミッションに参加した理由は様々だ。しかし、意識してか無意識なのかはわからないが、根底にあるのは弱き者を守る男の本能と言っても良いだろう。そして彼らは自らの課したルール、自分の生きざまに責任を持っている。だから迷いはあるにせよブレない。これぞ大人の男なのだ。1人若輩者がいるのだか、彼の存在が他の6人を引き立てる効果にもなっている。そしてもしかしたら、この若輩者は本作を観ている人達の姿なのかもしれない。

これだけ出演者が多いと、各々の持ち時間も少なくなってしまうのだが、その限られた時間の中でしっかりとキャラクターを立て、存分に魅力を発揮してくれる。そして各々の男の生きざまを見せてくれる。ユル・ブリンナー、スティーブ・マックイーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン… 彼らは演技派という俳優ではないのかもしれない。しかし、ちょっと現代の俳優では味わえないような存在感に圧倒される。まさに男の顔は履歴書だと言わんばかりだ。

テーマ曲はあまりにも有名。彼らの心意気をしっかり表現している名曲だ。


>>HOME
>>閉じる



★前田有一の超映画批評★

おすすめ映画情報-シネマメモ