自分勝手な映画批評
プリティ・ウーマン プリティ・ウーマン
1990 アメリカ 119分
監督/ゲイリー・マーシャル
出演/リチャード・ギア ジュリア・ロバーツ ジェイソン・アレクサンダー
パーティーの最中、電話で彼女と別れたエドワード(リチャード・ギア)はフィリップ(ジェイソン・アレクサンダー)の車を借りてパーティーを抜け出す。一方、ビビアン(ジュリア・ロバーツ)は家賃用にとっておいた金をルームメイトのキット(ローラ・サン・ジャコモ )に勝手に使われてしまう。

ハリウッドは夢が叶う街

若き実業家と娼婦、違う世界に住む者同士の恋愛を描いた作品。

マイ・フェア・レディを彷佛させるような設定・ストーリーに真新しさは感じないのだが、人間の心理としてこのようなシンデレラストーリーにはいつの時代も喜びを感じ得るのではないかと思う。しかし単なる焼き直しでは何の面白味もない訳で、定番でありながら退屈させず、逆にさらなる夢を与えているからこそ本作に価値があるのだろう。

本作の魅力は作品の顔である主役ふたりに因るところが大きいのだと思う。リチャード・ギアの容姿を最大限に活かしたソフトで甘い振る舞いは現代の王子のようであり、ジュリア・ロバーツの変化のギャップ、特に洗練されてからの美しさには説得力があり大いに魅せられる。また、定番の本筋を上手く輝かせる計算された脚本も優秀だ。主役ふたりを囲む人々、名門ホテルマンの紳士的な態度や憎まれ役の存在も良いアシストになっている。

シンデレラストーリーの裏でのリチャード・ギア扮するエドワードの屈折した人物像も忘れてはならない。そこがあるからこそシンデレラストーリーが結実するのである。シンデレラを作り出すのはエドワードなのだが、もしかしたら、この恋愛での恩恵はエドワードの方が大きいのかもしれない。

もうひとつ重要なのが本作の主題歌、ロイ・オービソンの「オー・プリティ・ウーマン」だ。この曲を聞けば本作を思い出す。この曲の期待感を煽るような曲調はまさに本作にピッタリである。

あらゆる優れた要素が詰まった華やかなロマンティックなラブストーリーは、スタンダードとして後世に残るような珠玉の作品ではないかと思う。


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