自分勝手な映画批評
ハッピーフライト ハッピーフライト
2008 日本 103分
監督/矢口史靖
出演/田辺誠一 時任三郎 綾瀬はるか
副操縦士の鈴木(田辺誠一)は飛行訓練のシュミレーターで計器類の不良のアクシデントに対応出来ず、墜落させてしまう。

飛行機パニックコメディ

羽田発ホノルル行きの航空便を軸に、その飛行機に搭乗している乗務員、空港で働く人々の奮闘を描いた作品。

意地悪く言えば職業紹介、空港体験ツアーといった感がある作品だ。しかしパイロット・キャビンアテンダントはもちろんだが、 普段あまり目にすることのないグランドスタッフ・ オペレーションコントロールセンター・ 整備士等がどういった業務をどういった意識で従事しているのかを見られるのは興味深い。

医者や看護士のように直接的ではないのだが、ここも命に携わる職場。細心の注意を払わなければならないのは言うまでもない。また、多くの人にとって毎日のように利用する訳ではない飛行機は、それなりに準備をし、期待も不安も持ち合わせて乗り込むのではないかと思う。大袈裟に言えば一大イベント。そんな時にぞんざいなサービスを受けるのはこのうえなく不快だ。そう考えれば、生命の観点だけではなく、些細なミスさえ許されない大変な職場とも言えるだろう。

前半は大袈裟でグダグダなドタバタ劇が続く。しかし中盤以降は一気に引き締まる。難局をどう乗り越えて行くのか? 前半のドタバタ劇の中にちりばめられた伏線が意味を成してくる。引き締まるからといってシリアス一辺倒ではない。あくまでもユーモラスに。緊急極限状態での面白さは、裏返せば重職ならではと言っても良いのかもしれない。

登場人物が非常に多い。見慣れた顔もあれば、そうでない人もいる。それぞれの個性を持ち合い良い具合になっている。


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