自分勝手な映画批評
プレッジ プレッジ
2001 アメリカ 124分
監督/ショーン・ペン
出演/ジャック・ニコルソン ロビン・ライト・ペン アーロン・エッカート
定年退職を迎える刑事ジェリー(ジャック・ニコルソン)の為に同僚たちにより盛大な送別パーティーが催された。そのパーティーの途中に少女殺人事件の連絡が入る。定年退職を6時間後に控えたジェリーだが、現場に向かう。

魂をかけた誓い

原作はフリードリッヒ・デュレンマットの「約束」。定年間際に起きた殺人事件を引きずりながら生きる元刑事の人生を描いた作品。被害者の母親と犯人逮捕の約束をした男の選んだ道は…。男の生きざまにスポットを当てた優れた脚本をジャック・ニコルソンの名演が現実にする。

抑えた演技であくまでも渋いジャック・ニコルソンは、本当に刑事のキャリアをこなしてきたのではと錯覚する程である。しかし彼の存在をそこで終わらせるべきではない。観る者の心理を不安定に誘導するのはジャック・ニコルソンだからこそであり、最後まで目の離せない切迫感を与える。特にクライマックスへと続くシーンでは、その鼓動は急激に加速する。

もしかすると結末に関しては賛否が別れるのかもしれない。更に言えば、邪道かもしれないが、本作には色々な解釈、あるいは深読みして違った解釈もできるのではないかと思う。そう感じさせるのもジャック・ニコルソンが主人公ジェリーを演じたからである。もしかすると他の俳優が演じれば一本気な作品になっていたのかもしれない。しかし、彼が演じることにより、ストーリーに付加を感じてしまう。それは監督ショーン・ペンの巧みさとも言えるのかもしれない。

ほとんどワンシーンのみの贅沢な起用をしてる豪華な共演陣の優れた演技も見ものだ。


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