自分勝手な映画批評
ヘザー・グラハムinおいしいオトコの作り方 ヘザー・グラハムinおいしいオトコの作り方
2005 アメリカ 95分
監督/ニーシャ・ガナトラ
出演/ヘザー・グラハム デヴィッド・サトクリフ サンドラ・オー
旅行ライターのピッパ(ヘザー・グラハム)はスカイダンビングを楽しんだ後、急いで友人の結婚式に向かう。そのパーティーで彼女はある男性と出会うのだが…

結婚は最高!?

恋愛・仕事の奮闘振りを通じて、29歳の独身女性の人生観を描いた作品。邦題の「おいしい〜」は原題の「Cake」になぞらえているのだと思うが、作品の内容にはそぐわないように思える。

邦題に女優名を配していることが示すように、本作はヘザー・グラハムの魅力を前面に出した作品になっている。彼女の人形のような容姿だけでも十分魅力的なのだが、目まぐるしく変わるオシャレなスタイリングはカッコ良く、且つキュートでもあり、彼女の魅力をより一層高めている。

ヘザー・グラハムが演じるピッパは、カゴに収まることを嫌い、自由に飛び回る鳥のように人生を謳歌してきた。そんな彼女が30歳を迎える頃に迎えるターニングポイント。30歳くらいと言えば、自分自身の生き方が固まってくる頃。独身ならば尚更だ。固まってしまった自分自身を軌道変更するのはなかなか難しい。人生の分岐点に立った時、その狭間での葛藤は大いに共感できるポイントではないかと思う。

主人公に対し、可愛らしさに憧れ、葛藤する姿に共感する。どこか日本のトレンディードラマを思わせるような作風で幾分軽味ではあるが、観る者の心理を上手く突いた作品ではないかと思う。

もうひとつ注目したいのは、主人公の親友を演じるサンドラ・オーだ。容姿に関して人種的な意見はナンセンスなのだとは思うが、どうしても欧米人に比べてアジア系の容姿は画一的であり、表情も演技の面でなく顔の造りの面からいって変化が乏しく見えてしまう。そうなると役柄も限られてくる訳で、例え大きな配役を与えられたとしても、寡黙だったり神妙だったりといった役が多いような気がする。

しかしサンドラ・オーはその表現力で独特の存在感を醸し出している。本作と同じように主人公の親友役で彼女が出演するテレビドラマ「グレイズ・アナトミー」はもっと顕著だ。なかなか難しい面も多いとは思うが、アジア勢のさらなる今後の活躍に期待したい。


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