自分勝手な映画批評
大いなる陰謀 大いなる陰謀
2007 アメリカ 92分
監督/ロバート・レッドフォード
出演/ロバート・レッドフォード メリル・ストリープ トム・クルーズ

三大スターからの問題提起

三大トップスターによる夢の共演で優れた演技の応酬を期待するのだが、むしろ現代が抱える大きな問題を提起するメッセージ色のほうが強く感じる。提起されるのは正義に基づく行動、マスコミのあり方、問題に対する一般市民・国民の意識・対応である。

物語は上院議員へのリポーターの単独インタビューと大学教授の生徒に対する面接との2つのシチュエーションが同時に進行していくのだが、直接的な接点はない。ただひとつ、接点は命。しかし、この共通点は2つだけを結び付けるモノではなく、全世界・全人類共通のはずである。命の問題に対して正義はどう関係しているのか? どうあるべきなのか? 政治家は、マスコミは、一般の市民・国民はどう考え、対応するべきなのか? どこかの刑事が大声で叫んだフレーズのようだが、このような議論の多くは安全な場所で行われている。机上の空論とまでは言わないが、現場では銃弾に身をさらされている現実が存在する。

驚くべきは実際の政党が実名で登場している事。さらには当時の大統領・国務長官も写真とはいえ登場している事。日本では実名はおろか、政党名でさえ変更して登場させるはず。アメリカの懐の深さ、エンターテイメントの成熟さを強く感じる。


>>HOME
>>閉じる



★前田有一の超映画批評★

おすすめ映画情報-シネマメモ