自分勝手な映画批評
アメリカン・ギャングスター アメリカン・ギャングスター
2007 アメリカ 157分
監督/リドリー・スコット
出演/デンゼル・ワシントン ラッセル・クロウ
1968年のハーレム。ギャングのボス、バンビーが急死する。彼の運転手だったフランク(デンゼル・ワシントン)は弔問客の態度に辟易していた。一方、刑事のリッチー(ラッセル・クロウ)は情報を元に張り込みをしていたのだが…

追い求める男達のそれぞれの生きざま

実在の麻薬王フランク・ルーカスと刑事リッチー・ロバーツを描いた作品。実話をモデルとしているのだが、とにかく腐敗した社会の描写に驚く。警察・軍でさえも悪と癒着する世の中。犯人の目星をつけるシーンのアイデアはなるほどと感心したが、結局は悪がはびこり牛耳る世の中だからこそのアイデアである。救いはリッチーの正義感だけ。そんなリッチーの家庭が上手くいかず、悪のフランクが何より家族を大事にするのは皮肉である。

作品中、特に派手な演出はないのだが渾沌とした世情の描写、避けては通れない人種の問題等重厚な雰囲気で物語は進んで行く。そんな中、唯一のアクションシーンある検挙シーンはリアルな緊迫感が伝わってくる。

真面目なイメージのあるデンゼル・ワシントンだが、そのイメージを逆手にとって非情なギャングスターを演じている。


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★前田有一の超映画批評★

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